放射能とは? 放射線とは? 簡単に分かりやすく説明いたします。
宇宙や大地、大気、食物などの自然界からの放射線と、医療や生物学、建造物の検査など人工的に作られた放射線。
実は、私たちは日常生活の中で、放射線を絶えず受けながら生活しているのです。
最近では東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)による福島第一原子力発電所事故(福島原発事故)でも放射能、放射線は話題となっています。
放射線と放射能
放射線とは、光の仲間で、放射性核種の崩壊によって放出されるα(アルファ)線・β(ベータ)線・γ(ガンマ)線の総称のことです。広義には、原子核や素粒子の反応によって放出される X 線などの電磁波や中性子線、宇宙線なども含めて、全ての電磁波および粒子線を指しています。
放射線を出す能力を放射能といいます。放射能とは、物質から自発的に放射線が放出される性質のことです。
放射線の単位
放射線の単位には、放射能を出す方の単位である「ベクレル」と、放射能を受ける方の単位である「シーベルト」の2つに大きく分けられます。
自然と人工の放射線
自然に存在する物質の放射線を自然放射線といい、人工的に作られた物質の放射線を人工放射線といいます。
自然放射線
自然放射線は場所や高度によって放射線量は違います。
また、1人が1年間に自然放射線を受けている量は、世界平均で2.4ミリシーベルトといわれています。
宇宙から 0.39ミリシーベルト
大地から 0.48ミリシーベルト
食物から 0.29ミリシーベルト
大気中のラドンなど 1.26ミリシーベルト
人工放射線
医療のレントゲン撮影や、CTスキャンなどのX線、原子力発電所で生まれる放射線などを人工放射線といいます。
人工放射線は、放射線の種類や性質は自然放射線と変わりなく、人体への影響も自然放射線と変わりません。
医療によって受ける人工放射線量
胸部のレントゲン撮影は0.05ミリシーベルト
胃のレントゲン撮影は0.6ミリシーベルト
CTスキャンは6.9ミリシーベルト
日常生活と放射能
日本人が1年間に受ける放射線量の平均は、医療も含めると3.75ミリシーベルトです。
ちなみに世界の平均は3.13ミリシーベルトです。
日本人の平均数値がやや高いのは、X線撮影などの医療からの放射線量が世界の0.61ミリシーベルトに対して、2.25ミリシーベルトと高いことが主な理由です。
毎日の放射線量をチェックする
様々なサイトから全国の放射線量のデータが出ていますが、一番見やすく、しかも重くないので、こちらのNHKサイトがおすすめです。
毎日の各地の放射線量(放射性物質の濃度)、各地の放射線量(地上)、放射線物質の濃度(海水)が確認できます。
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/houshasen/index.html
ちなみにこちらは文部科学省のサイトです。ここでは全国の放射線量が確認できます。(ちょっと見にくいですが)
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/